弁護士コラム

「高次脳機能障害認定・等級評価の基礎」の講義を受けました(2021.6.7)

2021年6月4日 日弁連交通事故相談センター令和3年度高次脳機能障害相談研修会において弁護士の高野真人先生から「高次脳機能障害認定・等級評価の基礎」の講義を受けました。

第1 高次脳機能障害問題登場の経過
 1 どのようなイメージの障害なのか
 2 いつごろから注目されたのか

第2 医学界における高次脳機能障害と損害賠償等における「高次脳機能障害」
 1 医学分野における高次脳機能障害
 2 行政用語としての「高次脳機能障害」vs医学用語・自然概念としての「高次脳機能障害」

第3 高次脳機能障害の障害認定手法
 1 自賠責保険認定手続での着目点
 2 画像検査の論点
 3 意識障害の有無・継続の論点
 4 精神症状の認定・評価

第4 障害発生の認定における論点
 1 画像所見評価の論点
 2 意識障害の存在や程度に関する論点
 3 神経心理学検査などの精神的機能を評価する検査の評価
 4 最近の論争事案の裁判の傾向

第5 障害等級の認定手法と評価の困難さ
 1 労災補償手続の等級評価手法
 2 自賠責保険の認定手法
 3 等級認定はなぜ争いになるか

 高次脳機能障害が問題になる事案では、画像所見や医療記録を丁寧に読み解くとともに、交通事故の被害者のことをよく知って、被害者に認定されるべき後遺障害等級について正確な見立てをしていくことが必要なのだと感じました。

 他の後遺障害が残存した依頼者の方の場合もそうですが、高次脳機能障害の場合は特に被害者のお話やご家族のお話に耳を傾けて適切な解決を目指したいと思います。

弁護士 山本 綾乃

 

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