浜松の弁護士による債務整理・破産の相談をお考えの方へ
借金を抱えて困っていても、必ず解決方法はあります。一人で悩まず早めに弁護士などに相談し、生活の再出発を図りましょう。
当事務所では,経済的にご自分の力で立ち直り,お金持ちになる基礎を造るため、岡島式家計簿を書くことを全ての方にしていただいております。家計簿など今まで一度もしたことがない方や,書いたことがあっても三日坊主で終わってしまった方でも,誰でも継続できる方法です。現にこれを行うことで経済的に立ち直り、100万円の貯金ができるようになった方が事務所設立以来,相当数いらっしゃいます。浜松の弁護士による債務整理・破産の相談をご希望の方は、ぜひ岡島法律事務所をご利用ください。
債務整理の方法
債務を整理するには、①任意整理、②特定調停、③個人再生手続き、④破産手続きの4つの解決方法があります。以下に簡単にそれぞれの手続きの説明をします。
任意整理
任意整理とは、裁判所を通さずに債権者(金融会社等)と交渉し、借金の額や返済額、返済期間について話し合う方法です。
今までの借り入れや返済の取引を利息制限法内で計算し直しますので、借金の減額につながる場合もあります(返済期間が短い場合など、減額にならない場合があります)。また、毎月の返済額を減らすなどの交渉をし、無理のない返済を続けていくことができます。
特定調停
特定調停とは、裁判所を通して債権者と話し合う方法です。裁判所に特定調停の申し立てをすると、調停委員があなたに代わって金融会社に対して交渉してくれます。
効果としては、任意整理と同じく、利息制限法に基づいて計算し直して借金の総額を減額したり、分割払いの返済方法を変更することができます。
個人再生手続き
個人再生とは、債務の支払いが困難になった方について裁判所の手続きを使い、住宅ローン以外の債務額を大幅にカットしてもらい、将来の収入によって、残額を原則3年で分割返済して債務を整理する方法です。
個人再生手続きを取るためには、以下の様な要件が必要となります。また、個人再生手続きを取ることのメリットなどもありますので、まずは弁護士に相談しましょう。
個人再生手続きを取るための要件
- 個人であること。たとえ小さな会社であっても、個人再生手続きを使うことはできません。
- 将来一定の収入の見込があること。
- 借金総額が5000万円以下であること。住宅ローンや担保付き債権のうち担保で回収できる額、税金、罰金等などは含めません。
具体的な減額方法は、住宅ローン以外の債務が100万円以上500万円以下の場合は最大100万円まで、500万円を超え1500万円未満の場合は最大5分の1まで減額可能となります。
そして、1500万円以上3000万円以下の場合は最大300万円まで減額可能で、3000万円を超え5000万円以下の場合は最大10分の1まで減額可能になります。
このように大幅に減額した債務を原則3年以内に分割して支払っていくことになり、この債務には将来利息はつきません。
住宅ローン特則とは
住宅ローン特則とは、上記で説明した個人再生手続き上、裁判所の決定により、住宅ローンの返済スケジュールの変更を認める制度です。前述のとおり、一般債権は大幅に減免し、住宅ローン債権は返済計画を変更することで住宅を守ります。住宅ローン特則の特徴は以下の通りです。
- 住宅ローン残額の一括請求を待ってもらえます。
- 完済までの期限を延ばし、毎月の支払金額を減額してもらえます。
- 返済期限の延長は、原則10年以内で、70歳までに完済しなくてはいけません。(注)
- 住宅ローン特則を使っても住宅ローンの残金は減額されません。
- 住宅ローン以外の抵当権・根抵当権(仮登記を含む)などが住宅やその土地についている場合は利用できません。
- 銀行から保証会社に債務が移転した場合でも、移転後6ヶ月までなら、保証会社から銀行に戻すことも可能です。
(注)貸主の同意が得られれば、10年以上の延長や70歳を超えての返済でも可能です。
個人再生手続きのメリット・デメリット
個人再生手続きのメリット・デメリットについては以下のとおりです。
メリット
- 資格制限がありません(自己破産ができない方も個人再生は可能)。
- 免責不許可事由がありません。(浪費が著しい、ギャンブルが原因の借金などであっても手続き可能)
- 申し立てをすると当面の支払いや、差し押さえを止めることができます。
- 財産を処分する必要がありません。
- 住宅ローン以外の借金を大幅に減額できます(将来の利息をカットできる)。
- 自宅を手放さなくて済みます。
- 残金全額の一括請求を待ってもらえます。
- 住宅ローンの返済スケジュールを変更できます。
デメリット
- 申立てから決定まで半年近くの手続期間が必要であり、原則3年間の返済期間があります。
- 最低でも100万円の返済が必要になります。
- 一定期間(5年~7年)はローンを組んだりクレジットカードを作ることはできません。
- 安定した収入がなければ利用できません。
- 手続きが認められなければ自己破産手続きに移行される場合があります。
- 住宅ローンの返済額は減額されません。
- 住宅ローンや担保付き債権以外の借金総額が5000万円以下でないと利用できません。
破産手続き
自己破産手続きは、借金整理の方法の中では最後の手段といえます。
裁判所に破産の申立を行い、財産処分しても返せない借金を帳消しにしてもらうのです。
収入がない人や、収入に対して債務額があまりに大きい人は自己破産を申請できます。
住宅や、ローンが残っている自動車、高価な財産などは処分しなくてはなりません(生活に最低限必要な財産は処分の対象外です)。
また、ギャンブルや浪費でできた借金の場合は免責が認められないことがあります。
免責決定を受けることができる条件
破産の申立がされた場合、裁判所は、事情を調査した上で、免責決定するかどうかを判断することになりますが、破産者に一定の事由があるときには、免責決定を下すことができません。その事由を「免責不許可事由」といいます。裁判所の裁量によりますが、次のような場合、免責決定が下りないとされています。なお、これらの事由は、破産法第252条第1項各号に定められています。
債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為(1号) |
財産隠しや、財産の損壊のほか、債権者に不利益な処分とは、配当すべき財産を他人に贈与または譲渡などしてしまうことを指します。例えば、破産時に処分されないように、住宅の名義を破産前に親族に変更したり、所有していた車を知人などに定額で売却したりすることなどです。
破産手続きの開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分する行為(2号) |
破産手続き前に、いわゆるヤミ金などで利息制限法に違反するような高利で金銭を借り入れたり、クレジットカードやキャッシングローンを用いた信用取引により商品を仕入れ、定額で売却したりするような行為を指します。
特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをする行為(3号) |
特定の債権者のみに対し債務の返済を行ったり、担保を設定したりするような行為を指します。このような行為を、偏頗(へんぱ)弁済と言います。例えば、親族からもお金を借りているような場合に、破産申し立てにより返済義務がなくなるのは申し訳ないからと返済をしてしまうと、特定の債権者に対して債務を返済したとして免責が下りない可能性があります。本来、債務というものは平等に履行されるべきであるからです。
浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担する行為(4号) |
収入に対して明らかにバランスを欠くような買い物や遊興(浪費)や、パチンコ・パチスロ・競馬・競艇・競輪などの「賭博」行為、その他、株取引やFX取引・先物取引・仮想通貨取引などの「射幸行為」によって債務を負担した場合を指します。
破産手続き開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続き開始の決定があった日までの間に、破産手続き開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得する行為(5号) |
自己の収入や貯蓄、その他既存の債務などを偽ったり、ごまかしたりして新たに債務を負担したり、財産を取得したりするような行為を指します。一般に、借入債務の限度額は年収の3分の1までとされていますので、その限度額を、年収を偽って変動させるような行為が該当します。
業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠匿し、偽造し、又は変造する行為(6号) |
個人事業主などが、裁判所に提出すべき財産に関わる書類を意図的に隠匿したり、偽造したり、変造したりし、特定の財産の処分を免れようとするような行為を指します。
虚偽の債権者名簿を提出したり、破産手続きにおいて裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたり、不正の手段によって破産管財人や管財人などの職務を妨害したりするような行為(7、8、9号) |
・架空の債権者を名簿に記載し、債務を偽ろうとする行為
・破産手続き中に裁判所が行う調査において、理由なく説明を拒んだり、虚偽の説明をするような行為
・破産管財人や管財人の職務を「不正に」妨害するような行為
を指します。
過去7年以内に破産の免責許可の決定、給与所得者再生の計画認可、民事再生の計画認可がある場合(10号) |
過去に破産手続きや、給与所得者再生、民事再生を利用し、それぞれ免責許可や計画認可が下りてから7年以内に、破産手続きを利用した場合を指します。破産及びその他の債務整理手続きの制度上の免責不許可事由と言えます。
破産法内各条文に規定される義務に違反する行為 |
主に、破産法第40条第1項第1号(裁判所及び債権者集会等での説明義務)、第41条(重要財産の開示義務)、第250条第2項(破産管財人への調査協力義務)などに違反した場合を指します。
免責不許可事由に該当=免責は絶対下りないのか?
では、免責不許可事由に該当した場合絶対に免責は認められないのか?と言うと決してそうではありません。法第252条第2項には、
「前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。」
と定めています。このような免責を裁量免責と言います。免責不許可事由に該当するとは言っても、過大な債務で困っていることは事実です。ですから、借金額、本人の反省の度合い、その他諸々の事情一切をもとに、裁量免責が下りる場合があります。
事実、日本弁護士連合会(通称:日弁連)が公開している「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」(最新年度)によれば、破産申立に対し免責許可を下した割合は96.85%であり、その他3.15%のうち、免責不許可は1件もありません。「免責不許可事由があるから…」と諦めず、弁護士に相談してみましょう。
ただし、日弁連の同調査によれば、破産申立があったもののうち、申立代理人があった割合は90.56%、また、司法書士に依頼した割合は7.58%と、専門家が絡んでいるケースが非常に高いことが分かります。免責が下りる背景には、専門家の力が多かれ少なかれ関わっているということを予めご留意ください。
破産手続きのメリット・デメリット
破産手続きのメリット・デメリットについては以下の通りです。
メリット
- 免責を受けることが出来れば借金を返済しなくてもよくなります。
- 弁護士に依頼すれば、弁護士介入通知後まもなく取り立てが止まります。
- 破産宣告後の給料は原則としてすべて自分の自由に使えます。
- 自己破産をしても戸籍謄本や住民票には載りません。
- 通常は近所や勤務先には自己破産したことは知られません。勤務先も自己破産を理由に解雇することはできません。
- 選挙権などの公民権は失われません。
- 自己破産しても、保証人になっていない限りは親、子供、親戚等に法律上の影響はありません。
デメリット
- 弁護士や税理士、生命保険募集者、会社取締役や監査役など、一定の職種に就くことができません。※(注1)
- 破産開始決定から免責決定確定までの間は市役所等で発行される身分証明書の申請ができなくなります。※(注1)
- 免責決定確定後7年間は再び自己破産の申し立てをすることができません。
- 5年から7年ほどの間銀行から借金できなくなったり、クレジットカードを作れなくなれます。
- 不動産等の財産を処分しなくてはなりません。※(注2)
- 保証人に請求がいきます。
(注1)デメリット1、2については、一時的な制限であり、免責決定が確定した時点で身分が「復権」しますので職業制限はなくなりますし、身分証明書を申請することもできます。
(注2)生活に必要最低限となる金額や財産は手元に残すことができます。詳細は相談の際にご確認ください。