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改正民事執行法が施行されました(2020.5.11)

今年の4月1日から改正された民事執行法が施行されました。

今回,改正された点は,大きく分けると(1)裁判所の呼出に対して不出頭だった場合の罰則の強化及び財産開示手続の申立人の条件の緩和、(2)第三者に対する情報取得手続の新設の2点です。

 

(1)財産開示手続について

① 裁判所の呼出に対して不出頭だった場合の罰則の強化

財産開示手続とは,債権者の申立によって,債務者を裁判所に呼び出して自身の財産を明らかにさせる手続です。

しかし,従来の財産開示手続には,債務者が出頭しない場合の罰則はあったものの,30万円以下の過料いう軽いものであり,財産開示手続を申し立てても,債務者が出頭せず,財産も明らかにならないために,せっかく裁判所で勝訴判決を得ても,差し押さえるべき債権者の財産が分からずに債権を回収できないという問題がありました。

そこで,今回の民事執行法の改正では,裁判所の呼出に対して出頭しなかった場合の罰則を6ヶ月以上の懲役または50万円の罰金に強化することで,債務者が裁判所からの呼出を無視できないような制度になりました。

② 財産開示手続の申立人の条件の緩和

民事執行手続における強制執行ができるのは,確定判決を取得した債権者のみならず,確定する前の仮執行宣言の付いた判決を取得した債権者や,債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載された公正証書(金銭の一定の額の支払いを目的とする請求などに限られます。)を有する債権者などもできますが,従来の財産開示手続では,仮執行宣言の付いた判決や公正証書を有する債権者などは,除外されていました。

しかし,今回の民事執行法の改正によって,強制執行ができる債権者であれば,財産開示手続を申し立てることが可能になったため,より便利に財産開示手続を利用することができるようになりました。

 

(2)第三者に対する情報取得手続の新設

従来の財産開示手続では,裁判所から財産の開示を求めることができるのが,債務者や債務者が法人であった場合にはその代表者などに限られており,債務者が財産開示に応じない場合には,差し押さえることができる財産がわからず,債権を回収できないことがありました。

しかし,改正された民事執行法では,強制執行ができる債権者の申立により,裁判所が①銀行などの金融機関、②登記所,③市町村・年金機構などに情報提供命令を出し,①債務者の預貯金,②不動産の存在、③勤務先,の情報を提供させることで,債権者が債務者の財産に関する情報を取得することができるようになりました。

②不動産の存在、③勤務先の情報についての情報取得手続については,事前に債務者に対する財産開示命令をしておかなければならなかったり,勤務先に関する情報取得手続ができるのは,養育費等の支払いや生命又は身体の侵害による損害賠償金の支払いを内容とする強制執行ができる債権を有する債権者だけであったりと,制限はありますが,従前の民事執行手続では,債権者が強制執行できる債務者の財産がどこにあるかを探さなければいけなかったため,債権回収がより容易になったといえます。

今回の民事執行法改正により,財産開示手続や情報取得手続など債権回収に役立つ制度が整備されましたので,債権回収にお悩みの方は,是非一度,相談下さい。

 

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