弁護士コラム

相続法改正(2020.4.2)

2020年4月1日から改正された相続法の一部が施行されます。

今回の施行される改正相続法によって変わるのは,配偶者居住権が新設されるという点です。

今までの相続では,被相続人(亡くなった方)が所有していた建物の所有権を被相続人の配偶者(夫や妻)が取得すると,建物の価格分,預金などのその他の遺産から取得する金額が減ってしまい,配偶者が生活費に不安を覚えることもありました。

しかし,今回の改正によって,被相続人の配偶者は,遺産分割で建物の所有権を取得しなくても,代わりに家に居住し続ける権利を取得することで,自宅に居住し続けることができ,また,所有権を取得する場合に比べて,預金などその他の財産から取得できる金額が多くなります。

また,配偶者居住権は,被相続人が遺贈により配偶者に取得させることもでき,20年以上の婚姻期間があれば,配偶者居住権を特別受益(相続の際の計算で遺産に戻すべき特別の利益)としない推定が及ぶ場合もありますので,遺言書を残すことによって亡くなる前から万が一のときに配偶者の居住権を守るために準備することができます。

すでに自筆証書遺言の方式を緩和する改正相続法も施行されています。

残った家族が円満に暮らすためにも,遺言の作成は大事ですので,ぜひ一度ご検討下さい。

 

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